・オルランドゥ⇒帰国命令を無視して今もアンジェリカを追っかけている。 ・アストルフォ⇒リナルドと一緒に帰国途中、止せばいいのに魔女にちょっかい出して攫われる。 ・ブラダマンテ⇒ロジェロを探して戦線離脱。 ・ロジェロ(敵)⇒リナルドとの手合わせの途中でいなくなったかと思ったら、リナルドの妹とフォーリン・ラヴ。 主要キャラが皆して出払っていた、その頃…
リナルドだけは、シャルルマーニュの命令を優先して必死で本国フランスを守っていた。
「うおお! 異教徒どもめ!(オルランドゥの馬鹿! 役立たず! 二度と戻ってくんじゃねェ!)」 サラセン人を片っ端からぶっ倒していくリナルドの姿は、悪魔か鬼のようであったという…。
ま、八つ当たりですが(笑)
「くそ、あいつら~…オレ1人にしやがって。何でオレ1人!!」 オリエヴィエ「いや、一人って私もいますが」 オジエ「…わしは?」 オルランドゥにおいてけぼり食らった歯止め役オリヴィエ&恋愛ネタに絡めないデンマーク人オジエ、やたら影薄い(笑) 12勇士というからには、もちろん他にもいるンですが、実際、話にはあまり出てこなかったり。 リナルドは、めっちゃ機嫌が悪かった。(それも仕方がない…) 彼の不機嫌な剣の前に、サラセン人の部隊は皆、恐れをなして逃げて行った。そんな中。 一人だけ、無謀な若者が立ち止まり、リナルドに挑戦したのだった。
手にした盾の紋章は――赤と白の四分塗りわけ。そう、オルランドゥの紋章と同じだったのである。
戦場では、鎧でフル装備していると顔も体格もほとんど分からず、紋章は個人を識別する、ほぼ唯一の指標だ。もちろん敵軍にオルランドゥがいるわけないので、たまたま同じ紋章をつけた別人なのだが、リナルドには今、ちょうど腹をたててる最中のオルランドゥに見えたことだろう。 「貴様が誰だかは知らないが、その紋章をつけるとは命知らずな。貴様のような奴は早めに死んでもらうに限る!」
どしゅっ
…一瞬でざっくり殺されてしまった若者の名は、ダルディネルといった。 ズマラの王子で、まぁそれなりに強かったらしい。しかし、その勇敢なダルディネルさえあっさり倒されるのを見て、異教徒の皆さんは恐慌に陥った^^; 怖いよ、リナルド君…。 必死で逃げるムーア人。王マルシリウスは何とか敗残兵を集め、その夜は震えながら眠りについたという。 「主力の騎士が居ないのに、なんで負けてるんだ、おれたちは…。」 それはね。勝利のカギを握るはずのロジェロが戻ってないからだよ。そっちも主力いないから(笑) 夜中も少し過ぎた頃のことだった。サラセン人の陣地で、小さな動きが起こった。クロリダンとメドロ、ふたりの若者がむっくり起き上がり、危険をともなう戦場へ戻ろうと相談しはじめたのだ。 彼らは、死んだ王子ダルディネルの従者だった。クロリダンは弓の名手で狩人だったが、メドロはろくに戦うこともできない、ぽっちゃりふっくらの若者だ。そして王子に、少し憧れも抱いていたらしい。 「ねえクロリダン、王子様が何も無いさびしい草原に投げ捨てられて、獣たちについばまれているなんて、僕耐えられないよ。なんとかして、助けてあげようよ。せめて遺体を探し出し、葬って差し上げよう?」 クロリダンは、驚きつつそれをもっともだと思った。そして心底思った。「こいつ、いいヤツだなぁ」と。
二人は、見張りの義務をすっぽかして、真夜中の敵陣へと乗り込んで行った。
夜とはいえ、敵陣に乗り込むことは危険でいっぱい。
メドロはさっそく、昼間の戦場でいとしの王子を探し始めるが、クロリダンはわりとどうでもよかったらしく、手伝いもせずにフイ打ちで寝ているフランス軍の兵の首を討ち始める。とにかくチャンスがあったら殺しとけ。ある意味、漢である。
ともかくも二人は、目指す王子の遺体を見つけた。 だが運悪くそこへ、敗残兵を追いかけて行っていたゼルビノが戻ってきたのだ。ああ! もう、クロリダン! アンタが余計なことしてなきゃ、もっと早く逃げられたろ?! …ってなのは、言っても今さら仕方が無いんだが。 「む、曲者?!」 ゼルビノ配下の兵が剣を抜く。おどろいたクロリダンは、荷物(ダルディネルの遺体)を放り出して素早く「逃げる」コマンド発動! だがしかし。メドロは逃げていなかった…! 「王子様のご遺体を見捨てて逃げられるもんかー!」 ああ。心底イイヤツ系だ、メドロ。 自分だけ我を忘れて逃げたクロリダンは赤っ恥。おれは一体、なんてことを?!(※裏切りというコトです) 茂みの中から矢を番え、逃げるメドロを援護しようとするクロリダン…だがメドロは、ゼルビノの制止に耳を貸さなかった部下によって、一瞬のうちに瀕死の重傷を負う。それを見たクロリダンはキレてしまい、もはや自分の命もなんとも思わない狂戦士と貸した。 突っ込むクロリダン。討ち死にするクロリダン。(早ッ) まだ息のある親友メドロの傍らに伏したクロリダンの体…さらば友よ、君のことはきっと忘れない…。 侵入した若い異教徒たちが倒れたのを見届けて、ゼルビノは去って行った。まだ僅かに息の在るメドロも、このままでは死んでしまうはずだった。 だが、運命のいたずらによって、その様子を、たまたま物陰から隠れて見ていた人物がいたのだ。
アンジェリカだった。
おいおい! 何でこんなところにいるんだアンタは! しかも農民の娘の仮装して?! 魔法の指輪を取り戻し、再び変身でき…いや、姿も消せるマジカル・プリンセスへと戻れたアンジェリカは、今や元の傲慢でプライドの高い王女だった。(健気に涙流しながら助けを求めてきた乙女とは違うのデスヨ…。) リナルド、オルランドゥ、サクリパン、その他大勢の地位と名誉ある男たちを袖にふり、利用しつくして来た彼女。苦難を越えるごとに自信は高まり、もはや、ありきたりの男とは結婚する気がなくなっていた。 …それが、何故か! 主人の遺体を必死で守ろうとしてあえなく倒れたメドロに、胸ときめかせてしまったのである。
女って謎ですね。
アンジェリカは、負傷したメドロを近くの農家に連れ込みかくまった。彼女の献身的な看護と怪しい漢方薬によって命を救われたメドロは、当然のようにこの絶世の美女の口説きに落ち、国も故郷も捨てて、ともに、遥か東方はカタイの国へと、旅立つことになったのであった…。
[さようならアンジェリカ。だけど、誰か忘れていないか…?]
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■シャルルマーニュ伝説 -The Legends of Charlemagne
つっこみルネッサンス
その時、本物のブラダマンテは、本国にてマルセイユの市長 兼 要塞司令官を勤めていた。そう、フランス軍はまだ交戦中。今は戦力にもならない連中を助けに行ってるヒマはない。 今頃ロジェロは助かったかしら、と気をもみながら待っていたブラダマンテのもとに、メリッサが現れた。 「で、どうでしたかメリッサ様!」 「アルシナのほうはうまくいったわ。彼は一時的にせよ自由を手に入れた。ただ…」 「ただ?」 メリッサは、溜息をつきながら言った。 「どうやら、魔法使いアトラントは、まだ彼のことを諦めていなかったみたいね。」 「!何ですって・・・」
アトラントはまだ生きていた。そしてロジェロを奪い返すべく、日々、フランスの勇士たちをたぶらかしては自分の城に閉じ込めるという、陰険な嫌がらせを繰り返していたのだった。
メリッサは助言する。 「魔法使いは幻によって、それを見る者にとって最も愛しい者の姿に変わっている。けれど目くらましに騙されてはいけません。あなたはロジェロの姿を見るでしょうが、それは本物のロジェロではないのです。迷わず、彼の体に剣を突き立てなさい。いいですね」 「は、はい…」 でも、ンなこと言ってても、覚えてるわけないんだよね、この物語の人たちって(笑 魔法使いの城近くまで出かけたブラダマンテ。 その前に立ちふさがる巨人と、踏み付けられたロジェロの姿…。 彼女の正気は、あっという間に吹っ飛んだ。 「貴様! ロジェロを離せ!!」 突進していくブラダマンテ。…ああ、こうして警告むなしく、彼女もまた魔法使いのとりこに…。 ちなみに、この城には他にも、多くの人々が捕らえられていた。 最初のほうにちょろりと出てた、サラセン人の戦士フェロー。 ようやく恋人再会できて、国に帰ったはずのフロリマール。 まだいたのか、グラダッソ。 そして何故だかオルランドゥ。 だが彼らは魔法使いの幻によって互いの本当の姿を見ることが出来ず、全く見知らぬ人ばかりだと思い込んでいた。
だとしても、ちょっと会話すれば相手が誰だか気づくような気がするんだが^^;
こうしてメインキャラがみんな捕まってしまったとき…そう、誰もいなくなったときこそ、彼の出番である。
カモン! アストルフォ!!
「やあ、呼んだかい? 君。この美しいボクこそ、真の勇者さー♪」(じゃらじゃらーん)
なんかナルシーな喋り方でスマンが、こいつ、美貌と財力では登場人物中No.1のキャラなのね。
それゆえか、女性キャラに無意味に優遇されることが多い。
ロジェスティラの国をたつとき、彼はロジェスティラ自身から、魔法の角笛と、あらゆる魔法のヒミツが書いてあるという、知恵の書を受け取ったのだ。
…攻略本かよ^^; 角笛は角笛で、他のあらゆる武器が役に立たないとき、つまりピンチの時に吹きなさい、と、いうことで、これもお助けアイテムのようだしさ。
[現在のアストルフォの装備]
騎馬;駿足名馬ラビカン
乗っているとエンカウント無し/フィールド移動速度2倍
右手;魔法の槍
必ず相手に当たる一撃必殺の槍/「即死」効果/即死耐性のキャラにはダメージ&3ターン行動不能
左手;魔法の攻略本
あらゆる魔法を無効化/ただし装備しているだけでは効果が無い
どうぐ;黄金の角笛
聞くものを恐怖に陥れる/使うと「逃げる」コマンド成功率100%
人生ナメてんのかと言いたくなるような、超過保護装備じゃないですか。奥さん。 これではボス戦でもない限り死なないよ。しかも…装備品のほとんどが、人にもらったとか、棚ボタで手に入れたとか、そんなんばっか。 いいのかそれで。人生すべて「運」と「顔」なのか?!
「なんとでもいいたまえ、モ・ナ・ムー! 天さえもボクを愛しているということさ」
いや、わけわからんて。 とにかく今はお前しかいないんだし、とっとと行って、皆を解放して来い。 「言われなくても行くさ。美しい男には使命がよく似合う…ハイ・ヨー!」 颯爽と駆け行くアストルフォ。毒蛇や盗賊に出会っても、ドン・ウォーリー。困ったときは角笛を吹けば、ごらん、皆恐怖で逃げてゆくよ! 野獣と出会ってもダイジョウブ! だけど魔法使いを甘く見ちゃいけない。 水を飲もうと馬をおいといたそのスキに、乗馬ラビカンが、アストルフォに攫われてしまったのだ! 「おお。なんてことだ。こんなときは…!」
馬を失い、道に迷ってしまったアストルフォは、ロジェスティラに貰った魔法の攻略本を開いた。
これさえあれば、どんなめくらましだって怖くない。 「なんだ。こんなところに城があるじゃないか~♪」 目くらましをサクサク破って入り込んでくる騎士がいることに気づいたアトラントは、大慌てだ。「ならばこれを喰らえ!」 魔法の攻略本の唯一の弱点は、魔法を破ることは出来るが、自分に魔法がかけられるのを防ぐことは出来ないということだった。 城にいた捕虜の騎士たちには、助けにやってきたアストルフォが奇怪な化け物に見えていた! 「うおお! 何だ?! 化け物だ!」 「化け物が襲ってくるぞ!」 捕虜たちは、あっというまに大パニック。そこにはオルランドゥもいるしロジェロもいる、ブラダマンテだっている。戦ったらアストルフォに勝ち目は無い。
「おぉ…マイ・フレンズ。嘆かわしいことだ、このボクが分からないなんで。でも大丈夫さ、そんな君たちの目を覚まさせてあげる。聞きたまえ…悪夢より目覚める美しいモーニング・コールの音色を! ハッ!」
アストルフォは思いッきり、魔法の角笛を吹き鳴らした。その音色は恐怖のしらべ、あらゆる生き物の心に本能的な恐れを呼び覚まさせ、騎士たちは蜘蛛の子を散らすように大慌てで遠ざかろうとした。しかもその中にアトラントも入っちゃってる。(笑) こうして誰もいなくなった城で、アストルフォは悠々と、城の破壊にいそしめたという。 かくして魔法は解け、城は崩れ、あとには瓦礫の山が残った。 夢から覚めた人々は、ようやく、今自分のいる場所と、自分の目の前にいる人々を知ったという。長い冒険の果てにようやく恋人と出会えたブラダマンテとロジェロも、手を取り合って喜んだ。 「あなたが無事でよかった、ロジェロ…!」 「ああ。君に逢うことをどれだけ待ち望んだことか、ブラダマンテ。愛しているよ、結婚してくれ」
「もちろんよ、あなたがキリスト教徒に改宗して、私の父・エイモン公に申し出てくれるのなら。」
「そのくらい、どうってことないさ! 君のためなら!」 オイオイ。信仰ってそんな簡単に捨てられるモンなのか^^;
かくして、長い苦難のすえ結婚を前提にしたお付き合いまでコギつけた二人だったが、このまま仲良く国へ帰還、とはいかなかった。
懐かしいあの人、マンドリカルドがやって来て、以前の決着をつけようなどと言い出したからだ。一体どこから、ロジェロがここにいることを嗅ぎ付けてきたのだろうか。^^; マンドリカルド「ヘクトルの紋章は、このオレにこそ相応しい。ロジェロ! オレと勝負しろ!」 ロジェロ「おいおい…。またかい…。」 ブラダマンテ「仕方が無いわね。止めても無駄なようだし、私は国が気になるから先に戻っているわね。」 アストルフォ「ブラダマンテ、ではボクの槍と馬も、先に持って帰っておいておくれよ。ボクはあの素敵な翼の生えた馬と旅をしてみたいのさ♪」
ブラダマンテ「ヒッポグリフ? そうね、またロジェロがあの変わった馬に攫われるのはイヤだから、貴方が乗っていってちょうだい。(※暗に”アストルフォなら攫われてもいいや”と言っている^^;)」
こうして、ようやく魔法使いアトラントの出番は終了。 アストルフォは大空へと旅立ち、そしてまたいつか、僕らの前に帰ってくる。 ありがとうアストルフォ、本当にありがとう。僕らは君のことを決して忘れない…!
[って、ンなことしててフランスは大丈夫なのか? 戦争はどうなった!-次回へつづく]